発酵の基礎と健康への役割
執筆:酵素株式会社 代表取締役 野尻明宏
TL;DR(要点まとめ)
- 発酵は古代から続く食品保存&栄養強化の知恵。
- 酵母・乳酸菌・麹などが食材を変化させ、保存性・風味・栄養を向上させる。
- 現代人は発酵食品の摂取が減っており、意識的に取り入れる必要がある。
1. 発酵とは?
発酵とは、微生物が食材に働きかけ、栄養価や風味を変化させるプロセスです。
- 食品を保存しやすくする
- 独特の風味や香りを与える
- 消化や栄養吸収を助ける
古くから日本の食文化に根付いており、味噌・醤油・漬物・酒などはその代表例です。
2. 主な発酵の種類
- 酵母発酵:パンやワインに使われ、糖をアルコールや二酸化炭素に変える。
- 乳酸菌発酵:ヨーグルトや漬物でおなじみ。酸味と保存性を高める。
- 麹菌発酵:日本独自の文化で、味噌・醤油・日本酒の醸造に欠かせない。
ポイント
発酵は「腐敗」と異なり、人にとって有益な作用をもたらします。
3. 発酵と現代の食生活
現代人の食生活は、加熱食品や加工食品が中心になり、発酵食品を意識的に摂る機会が減っています。
その結果として:
- 腸内環境の乱れ
- 栄養バランスの偏り
- 代謝や免疫の低下
といったリスクが高まりやすいのです。
4. 発酵食品の健康効果
- 腸内環境改善:乳酸菌や酵母が腸内フローラを整える
- 栄養吸収サポート:ビタミン・アミノ酸が増える
- 免疫力の調整:善玉菌が体内バランスを整える
まとめ
発酵は、ただの食品保存技術にとどまらず、健康維持の大切なサポート役です。
日常生活に発酵食品を積極的に取り入れることは、腸活・美容・体調管理に直結します。
執筆者プロフィール
野尻 明宏(のじり・あきひろ)/酵素株式会社 代表取締役
経済学を専攻後、銀行勤務を経て発酵飲料メーカーへ。現在は酵素ドリンク・発酵食品の研究と普及に取り組む。